審査結果
RESULTS
今回は「KEIRIN ART AWARD」に多数のご応募をいただき、誠にありがとうございました。
アップサイクル部門:36名、アートポスター部門:137名のご応募の中から、
厳正なる審査の結果、以下の通り受賞者を決定いたしましたので発表いたします。
なお、数多くの素敵な作品をご応募いただきましたため、当初予定していた各賞に加え、
「JKA特別賞」としてアップサイクル部門で1名、アートポスター部門で3名を追加入賞とさせていただきました。
「JKA特別賞」は こちら からご確認ください。
アップサイクル部門
グランプリ
王婧怡(オウ・セイイ)(SEII WANG)
「HASSO Cushion」
コンセプト
エネルギッシュさと、フィジカルの強靭さ。競輪の魅力は、スポーツの域に留まらず、観る者の心を揺さぶります。「HASSO Cushion」は、そんな競輪選手たちの肉体的な美しさと圧倒的なエネルギーを、日常に取り入れるためのアップサイクルプロダクトです。競技の中で肉体が発する瞬間的な激しさを、クッションという柔らかな形で表現しました。触れるたびに競輪の「疾走」がもたらす高揚感と、その先に広がる安らぎを体験できます。
準グランプリ
OHAGI
「KEIRINユニフォームバッグ」
コンセプト
ユニフォームの形状と伸縮性のある素材、キャッチーな数字のデザインを活かして、自転車とも親和性の高いユニフォームのバッグを提案しました。 このバッグを背負って競輪気分になることで、サイクリングやお出かけがより楽しくなれば嬉しいです。
審査員コメント
佐藤尊彦
製作において廃棄部分と工程を極端に削ったアイデアは、まさにアップサイクルに相応しい提案でした。
田中美咲
日常に競輪を落とし込み、さらに余すことなくユニフォームを活用した「アップサイクル」の本質を捉えていると思います。
アレックス・ゾンデレッガー
ユニフォームの形をそのまま活かし、最小限の加工と最小限の追加素材で、余り布を排出することなく実用的なバッグを作り上げているところが素晴らしいです。
ライフスタイル賞
大畑 五月
「リペアシール」
コンセプト
古くなり、ダメージの出来てしまったアイテムを、絵を描くようにリペアできるシールです。 競輪のユニフォームの独特なデザインや素材を余すことなく使ったシールは、 古くなったり、ダメージがあったりするアイテムを新たな表情に生まれ変わらせてくれます。このシールによるリペア体験を通じて、コミュニケーションを生み、 環境保護の意識と、競輪の魅力を、より多くの人に伝えていくことが狙いです。
審査員コメント
佐藤尊彦
シンプルなアイデアで、活用範囲の広さが魅力です。制作背景で社会福祉に目を向けたことも高評価です。
田中美咲
実装するモデルまで検討され、すぐにでも実現できると思いました。年齢やシーンに関係なく誰もが参加しやすいものだと思います。
アレックス・ゾンデレッガー
アップサイクルグッズを用いて修復を行うという斬新なアイデアやユニフォーム素材や色を使って自分を表現するという新しい価値を生み出している点が素晴らしい作品です。
オリジナリティ賞
該当者なし
アートポスター部門
グランプリ
治部 晶
「努力が強さになる」
コンセプト
競輪の鮮やかでエネルギッシュなレースの裏にある、選手の努力や葛藤をイメージして制作した。何層にも重ねられた線は自転車を漕いだ跡であるとともに、「目に見える努力」の蓄積だ。また線の揺らぎは、葛藤や揺れ動く感情を表している。この作品では「線」に大きな意味を持たせ、重きを置いた。華やかなレース時とは対照的な、練習時の努力や葛藤という、別の視点で競輪を見るきっかけになる作品にしたいと思い制作した。
審査員コメント
佐藤尊彦
レースのエネルギーや華やかさではなく、隠れた努力や葛藤を描いたオリジナリティとデザインが素晴らしい。
田中美咲
華やかな表舞台の背景に目を向けた素晴らしい作品だと思います。この努力の積み重ね、選手同士の思いなどが紡がれて今があるのだと知ると、競輪がさらに魅力的に感じられます。
アレックス・ゾンデレッガー
シンプルながらも力強いビジュアルで、見る者を立ち止まらせ競輪について考えさせる点で際立っています。競輪の持つスピードと勝利といった輝かしい栄光を伝える側面だけでなく、それを成し遂げるための努力をも描いた、画から物語が生まれてくる良い作品だと思います。
準グランプリ
松田 兼一郎
「Integration」
コンセプト
ブレーキのない自転車で最高速度70キロを超えるスピードで競い合う選手たち。その激動の中で一体化する選手と自転車を、競輪の象徴である車輪をモチーフに9色で表現。研ぎ澄まされた肉体と精神、スピードを感じられるようにシャープな印象に。また、ポスターの天地左右どこを上にしても成立する仕様に。このポスターを見た選手、スタッフ、観客の思いが一体化して競輪の明るい未来をイメージできることを目指した。
審査員コメント
佐藤尊彦
スポーツの身体性ではなく、車輪やユニフォームの色を使った抽象的アプローチに意外性を感じました。
田中美咲
「パターン」のうまさ、があったと思います。これが場内でフラッグやポスターとして掲げられ、カラフルに彩られていく「ポスターの先」を想像することができました。
アレックス・ゾンデレッガー
円形を重ね合わせたグラフィックを、繋がりを表現するモチーフとして使用し、競輪をダイナミックに描写した点が素晴らしかったです。
優秀賞
羽成 優実
「融合」
コンセプト
空気抵抗を抑える為、仲間で協力して作る「ライン」が崩れ、次第に個々の戦いとなっていく場面をグラフィック化しました。ラインという直線の規律が徐々に乱れ、 選手同士がぶつかり合う様を、色の混じり合いの魅力に変換して表現しています。スピード感と熱量のある場面を表現するために、 グラデーション部分は絵の具を用いたスパッタリングで表現し、自然な強弱が見られるように工夫しました。
審査員コメント
佐藤尊彦
レースの緊張感と熱量を、オリジナルの視点とテクニックを使い、グラフィカルに描いた点が魅力です。
田中美咲
選手の駆け引き、ラインとスピード、それらが競輪を象徴する9つのカラーの折り重なりによって表現されていて、面白いと思いました。そして、とても美しいとも感じました。
アレックス・ゾンデレッガー
この作品は、競輪選手のラインが個々の戦いとなり、ぶつかり合う瞬間を、ダイナミックな色の混合と表現力豊かな残像で見事にとらえ、レースの生々しいエネルギーを想起させている点が魅力です。
野村 香奈
「見逃せない、瞬間」
コンセプト
スピード感ある中で行われるレースは、一瞬一瞬の力や戦略のぶつかり合いの連続で、見ているこちら側も最後まで気が抜けないような緊張感があります。様々な要因ですぐに形勢が変わってしまうような一瞬も目が離せない面白さや迫力が伝わるように、選手が勢いをつけて走る、ある瞬間をメインビジュアルに描き、コピーとともにポスターにしました。粗々しく不均一な線は選手たちの努力、ひたむきさ、競輪の力強さを表しています。
審査員コメント
佐藤尊彦
作画方法が多様化するなか、手描きのアプローチと、コンポジションのセンスが光った作品です。
田中美咲
日本発祥のスポーツであることが言葉にせずともすぐに伝わると感じました。シンプルだけれど、とてもわかりやすく、力強い。とても面白いと思いました。
アレックス・ゾンデレッガー
力強いドローイング、シンプルかつ大胆なストロークによって、競輪選手の強さ、努力、競技における集中力を見事に捉えています。
髙橋 大空
「Born in Japan」
コンセプト
1位を目指し競い合う競技はたくさんありますが、KEIRINの緊迫感ある駆け引きを中心にポスターを制作しました。終盤になりゴールに近づくにつれて上がっていく歓声とその中でも熱く、冷静に駆け引きをする選手、その様子を単純化し表現しています。タイトルは世界で活躍している日本人がいると嬉しいように、KEIRINが自分達の国で生まれた事を知ってもらうとより興味が増すと思い「Born in Japan」 としました。
審査員コメント
佐藤尊彦
スポーツのKEIRIN、選手の緊張感、観客の熱狂を、ストレートかつキャッチーに描き切った作品です。
田中美咲
選手の駆け引きが伝わる「目線」と「筋肉の盛り上がり」がイラストで表現されていると感じました。レトロなトーンで懐かしさも感じつつ、かわいさとかっこよさでずっと見ていたいと思いました。
アレックス・ゾンデレッガー
70年代の映画ポスターを彷彿とさせるイラストの様式で、見る人に向かって疾走する2人の選手を大胆な色使いで描いています。応援の声にも見える『Gooooo』という文字を背負いながら、競輪発祥の地が日本であることを示す『Born
in Japan』というタイトルテキストに向かう様子は、ゴールへ向かうクライマックスのエネルギーを上手に表現していると思います。
審査員コメント
佐藤尊彦
意外性とデザイン性が伴った力強い作品で、インテリアとしても楽しめる、素晴らしい提案でした。
田中美咲
一目で心惹かれてしまいました。特徴的なフォルム、カラーリングは競輪とそのユニフォームをさらに魅力的にしてくれていると思いました。
アレックス・ゾンデレッガー
競輪選手にとって欠かせない体の部位を抽象的な形で表現し、色とりどりのクッションに落とし込んでいる点に、アップサイクルだけでなくアートとしての魅力を感じました。